こんにちは、管理栄養士のSUZUMEです。
卵を割ると現れる濃い白色の塊、あなたは食べていますか?
私はこの塊のことをよく知らなかった子供の頃は、丁寧に取って捨てていました。
しかし今はこの白色の塊に健康にも美容にも良い成分が詰まっていることを知り、必ず食べるようにしています。
この卵の濃い白い塊は“カラザ”と言います。
今回はこの“カラザ”が持つ栄養について、健康と美容の面から紹介します。
Contents
卵の“カラザ”って何?
“カラザ”は卵を割った時に卵白に混じって現れる、濃い白色のひも状の物体です。

“カラザ”にはどんな役割があるのか
この“カラザ”には卵黄を卵の中心に固定させて、外からの衝撃から守る役割があります。
卵の“カラザ”に含まれる注目の栄養素“シアル酸”
“カラザ”の主な成分はタンパク質です。
タンパク質といえば体を作る重要な栄養素なので、これだけ見ても捨ててしまうのは勿体ない!
でもね、“カラザ”にはさらに注目して欲しい栄養素があります。
それが“シアル酸”です。
“シアル酸”って何?
“シアル酸”は、体の健康を維持するために重要な役割をもつ「糖鎖」の一つです。
「糖鎖」は細胞から伸びていて、細部と細胞をつなぐレセプターの役割をしています。
“シアル酸”の健康&美容効果
卵の“カラザ”に多く含まれる“シアル酸”の働きについて具体的に見てみましょう。
免疫力アップ
“シアル酸”は侵入する外敵(ウイルスや細菌)をキャッチし、他の細胞同士で連絡し合うことで体に不要な悪者をブロックする働きがあります。
口などから侵入してきた外敵が消化管に付着するのを防ぎ、感染を防いでくれるんですね。
脳の発達
“シアル酸”は脳や中枢神経系に多く含まれていて、その含有量は乳幼児が最も多いと言われています。
これは“シアル酸”が脳の発達に非常に大きな役割を果たしているからで、“シアル酸”の学習能力向上への関与も言われる所以です。
美肌効果
“シアル酸”にはヒアルロン酸などを肌に保ち、潤いやツヤのある肌を作る働きがあります。
“シアル酸”は食べ物の中でもツバメの巣に最も多く含まれますが、ツバメの巣が美容のために好まれるのはこのためです。
育毛効果
“シアル酸”には血行の流れを良くして代謝をアップさせる働きもあり、発毛などを促すと言われています。
卵4個でツバメの巣のスープ1杯分の“シアル酸”
“シアル酸”は美容と健康に欠かせない栄養素ですが、食べ物の中にはあまり多く含まれていません。
最も多く“シアル酸”が含まれているのはツバメの巣ですが、一般的にはなかなか手にはいりません。
母乳にも多く含まれており、特に出産後10日目までの初乳に多く含まれていますが、こちらも毎日の食卓に上げることは非現実的です。
一般的に食べられる食品で効率よく“シアル酸”を摂れる食品が卵なんです!
“シアル酸”の多い食品
ツバメの巣のスープ1杯あたりの“シアル酸”の量は200mgとされています。
このツバメの巣と同等の“シアル酸”を一般的な食品で摂ろうとすると・・・
卵 | 4個 | 227mg |
ししゃも | 2尾 | 179mg |
たらこ | 1腹 | 180mg |
(参照:名医とつながる!たけしの家庭の医学)
“シアル酸”が「卵」に多く含まれているのがよくわかりますね。
「卵」の中でも“シアル酸”がたくさん含まれているのは、濃い白色の“カラザ”です。
卵の“カラザ”には貴重な栄養素が含まれていた
卵の“カラザ”には“シアル酸”という貴重な栄養素が含まれていることがわかりました。
卵1個の“カラザ”は微量なので、食べたからといって急に美肌になったり、風邪をひきにくくなったりするものではありません。
でも微量とはいえ“シアル酸”が入った“カラザ”を捨ててしまうのは勿体ない!
私は少なくても毎日卵1個は食べています。
卵は貴重なタンパク源だし、お値段も毎日食べても負担にならない!
“シアル酸”を摂るために毎日4個摂る必要はありませんが、美容と健康のために毎日の食事の中に卵を取り入れるのはおすすめです。
